半導体産業の進化を支える超純水とは vol.1

半導体産業は、現代のテクノロジー社会を支える基盤として、その重要性を増しています。
スマートフォンやコンピュータ、自動車の電子制御システムなど、私たちの生活のあらゆる場面で半導体が活躍しています。

この半導体の製造において、欠かせない存在が「超純水」です。超純水は、その名の通り極めて高い純度を誇る水であり、半導体製造の各工程で重要な役割を果たしています。特に、微細な回路を形成するための洗浄工程では、超純水の純度が製品の品質を左右します。

この記事では、超純水の基本的な特性から製造方法、そして半導体産業における具体的な利用方法までを詳しく解説します。

超純水とは、通常の水から不純物を極限まで除去した水のことを指します。一般的な水には、ミネラル分や微量の不純物が含まれていますが、超純水はこれらをほぼ完全に取り除いた状態です。
イメージしやすいのは、通常の水道水に含まれる不純物は50mプール(約1,000トン)の中にドラム缶2本分(約400kg)ですが、超純水は同じ50mプールに耳かき一杯(約1g)という、驚異的な純度を誇ります。

この純度の高さが、半導体製造において不可欠な要素となっています。

※不純物には水のうまみ成分にも繋がるカルシウムやマグネシウムも含まれています。

超純水の定義は、国際的な基準が存在しないため、各企業や研究機関が独自の基準を設けています。しかし、一般的には、イオン、微粒子、有機物、微生物などの不純物が極限まで除去された水を指します。

超純水の製造には、逆浸透膜やイオン交換樹脂、紫外線殺菌などの高度な水処理技術が用いられます。これにより、超純水は半導体製造の洗浄工程で使用されるだけでなく、医薬品製造や実験室用水としても利用されています。

超純水の純度を維持するためには、製造後の保管や輸送にも細心の注意が必要です。

water-admin