水質管理責任者の選任要件:資格と講習について解説 - 東京都の事例を中心に水質管理責任者

工場や事業場から排出される水は、環境保全のために適切に管理されなければなりません。特に、水質汚濁防止法で定められた「特定事業場」においては、水質管理の専門家である「水質管理責任者」を選任することが義務付けられています。

本記事では、企業の環境管理担当者様や、これから水質管理責任者を目指す方に向けて、その選任要件である資格や講習について、東京都の情報を参考にしながら解説します。

水質管理責任者は、特定事業場における排出水の水質測定、特定施設の維持管理、汚水処理施設の運用、事故時の対応など、水質管理業務全般を統括する重要な役割を担います。

主な役割

  • 排出水の汚染状態の測定・記録
  • 特定施設の使用方法や排水等の処理方法の監督
  • 排水処理施設の維持管理
  • 事故発生時の応急措置と関係機関への連絡
  • その他、水質汚濁防止に関する業務

水質汚濁防止法では、有害物質を排出する施設や、1日あたりの平均排水量が50m³以上の特定施設を設置する特定事業場に対して、水質管理責任者の選任を義務付けています。

水質管理責任者として選任されるためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

  1. 資格:
    • 公害防止管理者(水質関係第1種~第4種)
    • その他、国や都道府県が定める同等以上の知識・技能を有すると認められる資格
  2. 講習:
    • 都道府県知事等が行う、水質管理に関する講習を修了した者(上記資格や十分な実務経験がない場合)

これらの要件は、事業場の所在地を管轄する自治体によって詳細が異なる場合がありますので、必ず確認が必要です。

東京都では、水質汚濁防止法に基づく水質管理責任者に関する情報提供はもちろんのこと、下水道への排水管理についても詳細な情報を提供しています。

特に、東京都下水道局のウェブサイトでは、「除害施設等管理責任者」に関する情報が掲載されています。これは下水道法に基づく資格ですが、事業場の排水管理という点で共通する部分も多く、水質管理全般の知識を深める上で非常に参考になります。

https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/contractor/suisitsu/information

このページでは、資格の取得方法(試験・認定講習)や必要な実務経験について具体的に解説されており、水質管理に関わる方にとって有益な情報源となるでしょう。

水質汚濁防止法に基づく水質管理責任者とは制度が異なりますが、都内の事業場にとっては下水道への排水基準遵守も重要な課題であり、併せて確認することをお勧めします。

水質管理責任者の要件を満たすためには、実務経験、保有資格などを考慮し、最適な方法を選択する必要があります。

  • 資格取得を目指す: 公害防止管理者(水質関係)は、体系的に水質管理の知識を習得できるため、最も推奨される方法の一つです。計画的な学習が必要となります。
  • 講習を受講する: 資格や十分な実務経験がない場合に有効な手段です。自治体や関連団体が実施する講習の日程や内容を確認し、申し込みを行いましょう。

いずれの方法を選択するにしても、最新の情報を管轄の自治体のウェブサイトや担当部署で確認することが重要です。

水質管理責任者の選任と適切な管理体制の構築は、企業のコンプライアンス遵守と環境保全において不可欠です。資格要件や講習に関する情報は複雑な場合もあるため、不明な点があれば、まずは管轄の行政機関に問い合わせるのが確実です。

また、より専門的なアドバイスや具体的な手続きのサポートが必要な場合は、環境コンサルタントや行政書士といった専門業者への相談も有効な手段となります。

専門業者が周りにいない時や、第三者の意見を聞きたいときは、工場のセカンドオピニオンであるウォーターデジタル社にぜひお問い合わせください。

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