PFAS規制強化、水処理施設はどう対応する? vol.2

PFASに対する規制は、各国で強化されていますが、その規制状況は国によって異なります。

例えば、アメリカでは2006年にPFASの生産停止が自主目標化され、EUでは2009年にREACH規制対象物質として事実上の禁止が行われました。しかし、PFASは数百種類存在し、その毒性や環境への影響は物質によって異なるため、十分な基準が設けられていない状況です。

日本でも、2023年4月に飲料水における暫定的な規制値が設けられましたが、工場排水や土壌汚染など、PFASが流出する他の経路については、規制が追いついていません。
2024年6月現在、PFASの製造・輸入を禁止する国・地域も増えていますが、依然として多くの国・地域で製造・輸入が継続されています。

PFASの除去には、主に物理処理が用いられます。以下に、代表的な除去方法と最新技術を紹介します。

・活性炭による吸着処理

活性炭は、PFASを吸着する能力が高く、広く利用されています。活性炭の微細な孔にPFASが吸着されることで、水から除去されます。しかし、使用済みの活性炭からPFASが再び流出しないよう、適切な管理が必要です。活性炭の再生や廃棄処理を適切に行うことで、効果的なPFAS除去が可能です。

・RO膜による物理処理

逆浸透(RO)膜は、水分子以外を通さない特性を持ち、PFASを効果的に除去します。RO膜は、非常に細かい孔を持ち、PFASを含む不純物を物理的に分離します。この方法は、高い除去効率を持ちますが、運用コストが高く、定期的なメンテナンスが必要です。

・イオン交換樹脂の利用

イオン交換樹脂は、PFASを選択的に吸着する能力を持ち、特定のPFASを効率的に除去できます。イオン交換樹脂は、特定のイオンを交換することでPFASを除去し、再生可能なため、長期間の使用が可能です。この方法は、特定のPFASに対して高い選択性を持ち、効率的な除去が期待できます。

水処理施設は、法規制の変化に迅速に対応するため、さまざまな取り組みを行っています。

まず、最新のPFAS除去技術を導入し、処理能力を向上させることが重要です。活性炭処理やRO膜、イオン交換樹脂などの技術を組み合わせることで、効率的なPFAS除去が可能です。

また、法規制の変更に柔軟に対応できる体制を構築し、違反を避けるための情報収集を行うことも重要です。さらに、コスト削減に繋がる新しいPFAS処理技術の導入を検討し、環境保護と公衆衛生の向上に貢献することが求められます(出典:環境保護庁)。

PFAS規制の強化は、水処理施設にとって大きな課題であり、同時に重要な役割を果たす機会でもあります。

PFASの除去には、活性炭処理、RO膜、イオン交換樹脂などの最新技術を活用し、効率的な処理を行うことが求められます。
また、法規制の変化に迅速に対応し、違反を避けるための情報収集を行うことが重要です。

水処理施設は、環境保護と公衆衛生の向上に貢献するため、最新の技術を導入し、処理能力を向上させることが求められます。これにより、PFASによる水質汚染を防ぎ、持続可能な社会の実現に寄与することが期待されます。

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