下水処理技術の進化と都市の水環境 vol.2

パリでは、セーヌ川の水質改善のために地下貯留施設が建設されました。
これにより、大雨時に未処理の排水が直接河川に流れ込むことを防ぎ、ふん便性大腸菌の濃度を国際基準以下に抑えることが可能になりました。

この取り組みにより、オリンピックのトライアスロン開催時には、セーヌ川の水質が基準をクリアし、競技が行われました。

もちろん、すべてが完璧に終わったわけではなく、中には健康上の問題を指摘する声も上がりましたので、今後の都市部でのトライアスロン実施では更なる改善が求められる事でしょう。

下水処理水の再利用は、技術的には安全であるとされていますが、心理的な抵抗を感じる人も少なくありません。
例えば、下水道ビールのように高度処理された水を利用した製品は、水質的には問題がないものの、多くの人が飲むことに抵抗を感じるかもしれません。

科学的な安全性を確保するだけでなく、一般市民の心理的抵抗を克服するためには、教育や啓蒙活動が重要です。

東京の隅田川も、合流式下水道でありながら、様々な工夫で水質が大幅に向上しています。冬には水深4メートルほども見通せるほどの水の透視度を誇り、水上バイクを楽しむ人も増えています。

しかし、科学的に安全であっても、心理的に納得できるかどうかは別問題です。市民の意識向上を図るためには、継続的な情報提供とコミュニケーションが必要です。

下水処理技術の進化は、都市の水環境を大きく改善してきました。セーヌ川や隅田川の事例からもわかるように、適切な技術と取り組みにより、河川の水質は大幅に向上しています。


しかし、科学的な安全性だけでなく、心理的な受容性を高めるための努力も必要です。今後も、環境保護の観点から、都市部の水質改善に向けた取り組みを続けていくことが重要です。

これにより、地球環境の保全に貢献し、未来の世代により良い水環境を残すことができるでしょう。

water-admin