2026/6/1 21:17
今日の水の言葉

汚れた川を受け入れながらも、自らは濁らないためには、海にならなければならない。
(独:Man muss ein Meer sein, um einen schmutzigen Strom aufnehmen zu können, ohne unrein zu werden.)
19世紀のドイツの哲学者、フリードリヒ・ニーチェの代表作『ツァラトゥストラはこう語った』に記された一節です。
私たちは社会の中で生きていく上で、他者の悪意や不条理、あるいはネガティブな感情(汚れた川)にどうしても触れざるを得ません。そうした濁ったものが流れ込んできた時、小さな水たまりであればすぐに全体が汚れてしまいます。
しかしニーチェは、その濁りを外に弾き返そうとするのではなく、自分自身が「巨大な海」になるべきだと指摘しました。圧倒的な水量と広がりを持つ海であれば、汚れた川の水がどれほど流れ込んできても、自らの純度を保ち、やがてその濁りすらも浄化して同化させることができます。
困難や他者の悪意から身を守るための唯一の合理的な方法は、防壁を作ることではなく、自らの認識や器のスケールを根本的に拡大させることであるという構造を、水の体積比によって記した言葉です。
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