2026/4/15 21:20
今日の水の言葉

器の水は煌めくが、海の水は暗い。小さな真理は明確な言葉を持つが、大いなる真理は沈黙している。
(英:The water in a vessel is sparkling; the water in the sea is dark. The small truth has words which are clear; the great truth has great silence.)
1916年に出版された、インドの詩人ラビンドラナート・タゴールの詩集『迷い鳥(Stray Birds)』に収められている一節です。
物理的な観点から、水と光の関係を客観的に観察した記述です。コップなどの器に入った少量の水は、光を透過および反射させるため、人間の目には煌めいて見えます。一方で、海のように水深が深く膨大な質量を持つ水は、届いた光の多くを内部へ吸収してしまうため、暗く見えます。
タゴールは、この水が持つ光学的な事実を、人間が物事を認識する構造に重ね合わせました。
部分的な事実や小さな真理は、光を透過する少量の水のように、言葉を使って容易に説明することができます。しかし、物事の全体像や巨大な真理は、光を吸収する海のように全体を見通すことが難しく、容易に言語化できないという事実です。物質の性質を通して、事象の規模と言語化の限界を記録した文学表現です。
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