2026/5/7 21:23
今日の水の言葉

曹源の一滴水(そうげんのいってきすい)
仏教・禅宗において、物質の価値と人間の振る舞い(リソースの扱い方)を説明する際に用いられる言葉です。
ある修行僧が、手桶に残った少量の水を無造作に地面へ捨てたところ、師から「なぜその一滴を植物の根元にかけて活かさないのか」と問われたという記録に由来します。
一滴の水は体積こそ小さいものの、その内部には物質を溶かし、植物の細胞を潤して生命活動を維持させるという、極めて重要な物理的・化学的な機能が備わっています。水が持つこの絶対的な機能は、量が多いか少ないかによって本質的に変わるものではありません。
昔の僧侶たちは、この物質の客観的な事実を通して、事象の価値構造を指摘しました。
どれほど微小な要素であっても、それが持つ本来の機能とサイクル(循環)を理解して適切な場所に配置すれば、システム全体の中で確実に役割を果たすという事実です。物質の有用性を無自覚に放棄することへの戒めと、小さな要素の蓄積によって世界が稼働している仕組みを記述した言葉です。
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