SDI(シルト密度指数)とは?測定原理とRO膜管理における注意点

SDIとは何か
SDI(Silt Density Index:シルト密度指数)は、水中に含まれる微細な懸濁物質などによる膜の目詰まり傾向を評価する指標です。主にRO膜(逆浸透膜)を用いた純水製造設備で、前処理水の水質管理に利用されています。
RO膜は非常に微細な分離機能を持つため、供給水中の微粒子などが膜表面に蓄積すると、差圧の上昇や透過水量の低下につながります。
SDIは、こうした膜ファウリングの可能性を判断するための指標の一つです。
SDIの測定原理
SDIは、一定圧力で水を精密ろ過膜に通水し、ろ過時間の変化から求めます。
一般的なSDI測定では、孔径0.45µmのメンブレンフィルターを使用し、約207kPa(30psi)の圧力でろ過を行います。
測定開始時に一定量の水を採取する時間を測り、その後、所定の通水時間が経過した時点で、同じ水量を採取する時間を再び測定します。
水中に微粒子などが多い場合、フィルターが閉塞してろ過速度が低下するため、採水に必要な時間が長くなります。
SDIの計算方法
SDIは、次の式で計算します。
SDI = {1 − (t₀ / tₜ)} × 100 / T
ここで、
t₀:測定開始時の一定水量の採水時間(秒)
tₜ:T分後の同じ水量の採水時間(秒)
T:測定開始からの経過時間(分)
一般的には15分間の測定によるSDI₁₅が用いられます。
例えば、初期の採水時間が30秒、15分後の採水時間が60秒だった場合、
SDI₁₅ = {1 − (30 / 60)} × 100 / 15 ≒ 3.3
となります。
SDIは値が大きいほど、測定用フィルターが閉塞しやすい水質であることを示します。
RO膜の前処理におけるSDIの管理
RO膜設備では、SDI₁₅が3以下、あるいは5以下などの管理目安が用いられることがあります。
ただし、これらは一律の水質基準ではなく、RO膜の種類やメーカーの供給水条件によって異なります。
SDIが高い場合は、砂ろ過、精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)などの前処理設備について、処理性能や運転状態を確認する必要があります。
特に、前処理設備の逆洗不良、ろ材の劣化、凝集処理の不調などが、SDIの上昇につながる場合があります。
SDIと濁度の違い
SDIと濁度は、どちらも水中の微粒子などに関係する指標ですが、測定原理が異なります。
濁度は、水中の粒子による光の散乱などを利用して測定します。一方、SDIはフィルターの閉塞によるろ過速度の変化を評価します。
そのため、濁度が低い水であってもSDIが高い場合があります。
RO膜の前処理水を管理する際には、濁度だけでなくSDIも確認することで、水質を異なる観点から評価できます。
SDIの限界と測定上の注意点
SDIはRO膜の前処理管理に有用ですが、すべての膜ファウリングを予測できるわけではありません。
例えば、溶解性の無機塩類によるスケーリングや、微生物の増殖によるバイオファウリングについては、SDIだけで評価することは困難です。
また、SDIの測定結果は、測定圧力、フィルターの状態、試料の温度などの影響を受けるため、測定条件を統一することが重要です。
さらに、フィルターの閉塞が著しい場合には、通常の15分間の測定が適切に行えず、短い測定時間を使用する場合もあります。その際は、SDI₅やSDI₁₀など、測定時間を区別して記録する必要があります。
SDIはRO膜管理の指標の一つ
SDIは、RO膜の前処理性能を確認するための代表的な管理指標です。
ただし、SDIが低いからといって、RO膜のファウリングが発生しないとは限りません。
実際の設備管理では、SDIに加えて、濁度、差圧、透過水量、回収率などの運転データを総合的に評価することが重要です。
RO膜設備の水質管理や前処理設備の改善については、まず設備メーカーや水処理の専門業者に相談することをお勧めします。
身近に相談できる専門業者がいない場合や、第三者の意見を聞きたい場合は、「工場のセカンドオピニオン」であるウォーターデジタル合同会社までお気軽にお問い合わせください。
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