2026/6/26 03:17
水処理プラントにおける水中ポンプの選び方:用途と水質適合性の検討

水処理プラントの運用において、ピットやタンクから水を汲み上げる用途で広く活躍するのが水中ポンプです 。ポンプ本体を水の中に直接設置して使用し、モーターは周囲の水によって冷却されるため、軸受けを冷却するための水を別途確保する必要がありません 。設置の省スペース化に寄与する反面 、メンテナンス時にはポンプを引き上げる必要がある点には留意が必要です 。
本稿では、水処理実務における水中ポンプの適切な選び方について、取扱う液体の種類と水質の観点から整理します。
取扱う液体の種類による分類
水中ポンプは、対象となる水の性質や夾雑物(ゴミや異物)の有無によって構造が異なり、主に以下の4つに分類されます。用途に合わないポンプを選定すると、閉塞や故障の直接的な原因となります。
清水用ポンプ
上水、雨水、ろ過水など、固形物を含まない水を移送するためのポンプ。
インペラ(羽根車)の隙間が狭く設計されており、送水効率が高いのが特徴。
汚水用ポンプ
微細な浮遊物(SS)や少量の泥を含む水に対応したポンプ。
一般的な雑排水や、一次処理を経た処理水などに適用される。
汚物用ポンプ
大きな固形物や沈殿物を含む排水に対応するため、インペラ内の流路が広く確保されているポンプ。
夾雑物の通過性が高い反面、清水用に比べて揚水効率は低下する。
カッター付き水中ポンプ
吸込口に超硬素材などのカッター機構を備えたポンプ。
原水に含まれる布状・繊維状のゴミなどを細かく切断しながら吸い込み、ポンプ内部や後段の配管の閉塞を防ぐ。
水質による適用制限と不向きな条件
水中ポンプは万能ではなく、水質によっては使用を避けるべき、あるいは特殊な設計を検討すべきケースがあります。
1. 腐食性の高い水(強酸・強アルカリ)
水中ポンプはモーター部とケーブル接続部が直接液中に浸かる構造上、腐食性の高い薬液や排水には不向きです。接液部の材質をステンレスやチタン、特殊樹脂に変更した耐食仕様の水中ポンプも存在しますが、導入コストは跳ね上がります。このような場合は、腐食性流体の移送に適したマグネットポンプ などを地上に設置する方式が推奨されます。
2. 高温の排水
水中ポンプは、周囲の液体に熱を逃がしてモーターを冷却する構造が基本です 。そのため、ボイラーのブロー水や高温の製造プロセス排水などに浸漬させると、モーターの冷却が追いつかずにオーバーヒートによる焼損を引き起こすリスクが高まります。
3. 高粘度液や高濃度のスラリー
水処理施設で発生する脱水機向けの濃縮汚泥など、極めて粘度が高い液体の場合、遠心力を利用する一般的な水中ポンプでは吸い上げられない、あるいは送水量が安定しない問題が生じます。この場合は、粘度の高い液体を一定量で送ることができる一軸ねじ式ポンプなどを選定する必要があります 。
まとめ
水中ポンプの選定は、流量や揚程といったカタログスペックだけでなく、「どのような水質か」「どのような夾雑物が含まれるか」を現場の実態に即してファクトベースで確認することが不可欠です。
設備の選定や更新に際して不明点がある場合は、まずはポンプメーカーや水処理の専門業者へお問い合わせください。もし、周囲に適切な専門業者がいない場合や、既存の提案に対して客観的な第三者の意見が必要な場合は、工場のセカンドオピニオンであるウォーターデジタル社までお問い合わせください。
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