シリーズ「水とビジネス」第5回 水処理プラントの儲けの構造はどうなっているのか?

いつもこのトピックスを見ていただきありがとうございます。 今回はシリーズ「水とビジネス」の第5回目として、水処理プラントのビジネスでは、一体誰がどこで儲けているのか?という利益構造について解説していきます。
巨大なプラント設備を見ると、一つの大企業が一から十まですべての部品を作っているように見えるかもしれません。しかし、現場の実態は全く異なります。今回は、水処理プラントの裏側にある多層的なピラミッド構造を解剖し、今後AIの波によってその儲けの構造がどう壊れ、変化していくのかという未来予想図までを語ってみたいと思います。
水処理プラントは自動車産業に似ている
水処理プラントがどのように作られているのか。わかりやすく言えば、自動車産業のすり合わせに非常に似ています。
自動車がエンジン、ブレーキ、ハンドル、そして内装部品などを各部品メーカーから調達して組み上げられるように、水処理プラントも数多くの小さな機器や部材を寄せ集めて作られます。 例えば、日本を代表する水処理エンジニアリング企業である栗田工業、オルガノ、野村マイクロ・サイエンス、あるいは官需大手のメタウォーターなどは、プラントを構成するすべての機械を自社で製造しているわけではありません。(もちろん、自社開発の独自装置を持っているケースもありますが、、、)
プラントの心臓部となる巨大なタンクやポンプ、そして純水・排水処理の要となるRO膜などのコア部品であっても、基本的には外部の専門メーカーから買ってきて組み上げています。 さらに、その買い付けてきた膜自体も、1社がすべてを作っているわけではありません。膜の素材そのものや、内部に組み込まれるスペーサーなどの細かな材料を外部から調達しています。そうやって素材の源流をたどっていくと、最終的には石油化学や金属産業といった巨大な裾野に行き着きます。
つまり、水処理プラントとは、広大な産業のピラミッド構造の上に成り立つ、組み合わせの産物なのです。
ここで一つの疑問が浮かぶと思います。自分たちでコアな機械を作らずに、他所から買ってきたものを組み合わせているだけで、果たして儲かるのだろうか?と。 NewsPicksの読者層として多そうなIT業界の方などの感覚からすると、自社で強力なプロダクト(モノ)を持たずにインテグレーション(統合)だけを行う事業は、利益率が低くなりがちだと思われるかもしれません。
しかし、水処理の世界、特に高度な技術が要求される領域においては、この「モノを作らずに組み合わせる」というエンジニアリング側の企業が、実は高い利益率を叩き出しているのです。
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