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2026/8/4 22:00

BCP対策として考えなけれならない水の確保と水利用の優先度

2026年7月28日に発生した熊本での大地震により、被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げます。今もなお過酷な避難生活を強いられている皆様へ、一日も早く平穏な日常が戻ることを深く祈念いたします。

現在も被災地で水不足に苦しんでいる方々がいらっしゃる中で、企業向けのインフラに関する記事を配信することには、正直なところ非常に忍びない思いがあります。

しかし、日本という国に事業拠点を置く以上、地震や台風、異常渇水といった自然災害のリスクは常に身近に存在します。そのため今回は、個人の防災や避難所の話ではなく、あえて私の専門領域である工場の水処理と企業の事業継続(BCP)という観点に絞って解説することにしました。

水がなければ工場は動きません。私の技術士としての知見が、企業におけるインフラ防衛の現実を見つめ直す一助になれば幸いです。


災害時に露呈する水確保の難しさ

真夏に起きた熊本の地震では、避難所生活において多くの方が水不足という過酷な現実に直面している事と思います。災害が起きるたびに、私たちはインフラとしての水の重要性を嫌というほど見せつけられます。

個人の防災対策として、飲料水用のペットボトルを備蓄したり、生活用水として水道水を保管したりすることは、ある程度広く認知されています。(ちなみに警視庁の災害対策課のXの投稿は役に立つものが多いので、フォローしておくことをお勧めします。)

しかし、視点を企業、とりわけ製造業に向けてみると、その生産活動には個人の活動とは比較にならないほどの桁違いの大量の水が必要になります。

企業がBCP(事業継続計画)を策定する際、電力や通信、道路といったインフラの復旧シナリオは詳細に検討され、分厚いマニュアルが作られます。しかし、現場の実態として、仮に道路や電気が復旧したとしても、水が確保できなければ工場の生産は再開できません。

さらに、そこで働く従業員の生活が水不足によって安定していなければ、企業が事業を本格的に再稼働させることは困難です。被災した個人の生活に対しては国からの支援がある程度期待できますが、企業の工場の再稼働に対して国が直接支援できる範囲は限られているという現実も直視せねばなりません。

多くの一般製造業は、河川から直接取水する権利(水利権)を持たないため、主たる水源を工業用水や自社敷地内の地下水に依存しています。そして、現在多くの企業が策定している水に関するBCPは、これらの単一水源からの供給が継続することを前提に組み立てられていることが多いことでしょう。

しかし、直下型地震のような災害が発生した場合、水源そのものが変位したり、地下水脈が枯渇したりするリスクが十分にあり得ます。単一の水源に依存している状態では、その水源が断たれた瞬間に工場の稼働は完全に停止します。

再稼働自体に多大なリスクや膨大なコストがかかる機械設備を有する工場では、一度稼働を止めてしまうことのダメージが計り知れません。そのため、場合によっては遠方から給水車を何往復もさせてまで水を与え続け、重要工程を延命させなければならない事態すら発生します。

企業のBCPを考えるのであれば、まずは、単一水源依存からの脱却という視点が抜け落ちている事実を認識し、工場のインフラとして水をどのように確保するのか、現実と向き合う必要があると私は思います。

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