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NewsPicks

2026/8/19 05:55

マレーシアが火をつけた、データセンターの水規制の現在地

今回は、私のクライアント先から教えて頂いた最新ニュースを元に記事化してみました。

海外のニュースを主にまとめているメディアなのですが、タイ駐在時代には会社で契約していたのですが、日本ではなかなか報道されないニュースも丁寧に拾い上げてくれて、現地でビジネスをする上では欠かせない情報源でした。

DC誘致、量から質へ - NNA ASIA・マレーシア・IT

マレーシアがデータセンター(DC)誘致の選別を強めている。人工知能(AI)需要を追い風に世界有数の投資先へと成長する一方、電力や水資源への負荷、地域社……

www.nna.jp

有料記事なので、ニュースの詳細を書くことはしませんが、マレーシアの各種公共機関から出されている各種情報を読み解き、そこから今回の記事を起こしました。(生成AIがここまで発達していなければ、私のような個人ではここまでの情報は取れませんでした。検索と翻訳の進化に感謝!)


マレーシアでのデータセンター新規制、PUEとWUE

人工知能(AI)需要の爆発的な高まりを追い風に、データセンター(DC)投資先として急成長を遂げているマレーシア。しかし、その裏側で、マレーシア国家として量を追うのではなく、質を重視する選別が始まっています。

これまで、DCの誘致や運用において最も重視されてきたのは電力でした。いかに電力を確保し、サーバー稼働以外の空調等にかかる電力を削減するか。すなわち、電力使用効率(PUE:Power Usage Effectiveness)を極限まで下げることこそが、DC事業者の命題だったのです。

PUE = データセンター全体の消費電力 ÷ IT機器の消費電力

理想値は1.0(サーバ内で使う電力以外、余計なものに電力消費していない状態)であり、この数値を下げるための技術開発が長年競われてきました。

しかし、ここに来てゲームのルールに追加項目が増えました。マレーシア投資開発庁(MIDA)や国家水サービス委員会(SPAN)をはじめとする政府・関連機関は、新規DCの開発承認において、電力だけでなく、水利用量を明確な審査基準に組み込んだのです。マレーシア南部のジョホール州などでは、水を大量消費する旧来型の施設は今後承認せず、水や電力への環境負荷が小さい高付加価値なDCへと誘致の舵を切っています。

ここで新たに問われているのが、PUEに次ぐ指標、水使用効率(WUE:Water Usage Effectiveness)です。

WUE = データセンター全体の水消費量(㎥) ÷ IT機器の消費電力量(MWh)

マレーシアのタスクフォースが設定した基準は、WUE=2.2m3/MWh以下であり、将来的には、2.0m3/MWh以下という極めて厳しい目標値が公式に設定されています。設定された基準値を満たさない開発申請は却下する方針が明言されているのです。

また、このWUEを明確に規定したのは、私が調査した限りでは、今回のマレーシアが初めてだと思われます。

なぜ、東南アジアのマレーシアで水規制なのか。「熱帯雨林気候で雨が多く、水は無尽蔵にある」と考え方も多いことでしょう。しかし、東南アジアといえども、実際には強烈な乾季が存在し、降水量が激減する時期には、庭の植栽への散水すら苦労するほど水不足が深刻化します。

さらに、地域社会の生活用水や、水利用量の約70%を占める農業用水との競合も避けられません。マレーシア政府が「住民や地場産業への水と電力の供給を最優先する」と国会で明言したのは、この切実な物理的リソースの限界があるからです。

24時間365日、連続で稼働し続けることを前提とした人工物であるDCにとって、雨季と乾季という不連続で不確実な自然のサイクルに依存する水資源の確保は、事業継続のボトルネックとなります。マレーシアが世界に先駆けて突きつけたWUEという指標は、世界中のDC事業者が冷却というプロセスに真剣に向き合わざる得ない状況を作り出したと言っても過言ではないでしょう。

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