NewsPicks
2026/3/10 23:40
蒸留法からRO法まで、人類が培ってきた海水淡水化技術

2026年3月、イランの不安定な情勢で、ホルムズ海峡封鎖が石油だけでなく物流や、石油化学由来の各種製品、そして、各国の市場に大きな影響を与えています。しかし、中東諸国にとっての石油は、単なる外貨獲得の手段ではありません。それは、砂漠で生きるために水を生み出す原動力、そのものです。
例えばサウジアラビアでは、供給される水の70%が海水淡水化によって賄われています。(2030年までに90%に高める予定)つまり、石油というエネルギーを水へと変換することで、本来なら人が住めないはずの砂漠に、超近代的な巨大都市を維持しているのです。
日本に目を向ければ、水は山から川へ、そしてダムへと流れる天の恵みです。しかし、河川を持たない国々では、水は自然からいただくものではなく、人類のテクノロジーを用いて造りだすもの。しかも、その製造には膨大なエネルギーが必要であり、さらには広大な砂漠において水を運ぶパイプラインさえも、昼夜の寒暖差による鉄の熱膨張・収縮という物理的制約に阻まれています。結果として、消費地のすぐ近くでエネルギーを投下し、水を作り続けるしかないのです。
今回は人類がいかにして海水を飲み水に変えてきたのか。かつての主流の蒸留法から徐々に進んでいるRO(逆浸透)膜への技術変遷、そして意外にもその裏側で日本企業が果たしてきた役割について解説します。
NEWS一覧へ

