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工場排水および処理水の再利用における塩害リスクと対策の基礎

夏場にかけて工場敷地内の植栽への散水需要が増加する中、水資源の有効活用として、工場内で浄化された処理水や浄化槽処理水の再利用を検討するケースが増えています。水処理技術の発展により多様な水の再利用が可能となっていますが、用途に応じた適切な水質管理を怠ると、思わぬトラブルを招くことがあります。

本稿では、水処理実務の観点から、処理水および汚泥を再利用する際の「塩害リスク」について、ファクトベースで整理します。

処理水の散水利用における塩害のリスク

工場内で水処理された水を庭や植栽に散水する場合、見た目の透明度や有機物の数値だけでなく、水中に溶解している無機塩類の濃度を把握することが極めて重要です。

  • 条例等の遵守: 敷地内の植栽などに散水する場合、条例等がある場合もあり、それに準拠する必要があります。

  • 塩害の発生: 消毒をせずに塩濃度が高い処理水を散水する場合、塩害が発生する恐れがあるので注意が必要です。

工場排水の水処理工程では、pH調整のための酸・アルカリ剤の添加や、特定の化学処理の過程で塩類が生成・残留することが少なくありません。植物の耐塩性を超える塩濃度の処理水を継続的に散水すると、土壌に塩分が蓄積し、植栽の枯死など塩害を引き起こす原因となります。

工場汚泥の再利用における含有物質の確認

水処理のプロセスでは、浄化された水とは別に、汚濁物質が濃縮された「汚泥」が発生します。近年、この有機汚泥を肥料等として再利用する取り組みが進んでいますが、処理水と同様の注意が求められます。

  • 含有リスク: 下水処理場の汚泥には、重金属や化学物質が含まれるリスクも指摘されています。 同様に、工場排水由来の汚泥においても、製造工程で使用された物質や塩類が残留している可能性があります。

  • 事前調査の徹底: 汚泥を土壌還元などの形で再利用する際は、事前に汚泥中の塩濃度や、対象となる含有物質を正確に分析・調査することが不可欠です。

塩濃度が高い汚泥を不用意に土壌へ還元すると、散水時と同様に塩害を引き起こす可能性があります。再利用の用途に対して、汚泥の性状が機能的に適合しているかを実務的に評価する必要があります。

安全な水処理・再利用に向けた実務的アプローチ

工場排水や汚泥の再利用を安全かつ合理的に実施するためには、以下のステップを踏むことが推奨されます。

  1. 原水および処理水の正確な分析: 水処理設備から排出される処理水や汚泥の塩濃度、重金属、その他化学物質の含有量を定量的に把握する。

  2. 要求水質の確認: 再利用先(植栽への散水など)が許容できる水質基準や塩分濃度の上限を明確にする。

  3. 適切な水処理技術の選定: 塩濃度を下げる必要がある場合は、用途に応じて脱塩処理などの追加工程を検討する。

まとめ

水処理を通じた排水や汚泥の再利用は、工場運営において有益な選択肢の1つですが、塩害をはじめとするリスクを客観的に評価し、論理的な対処を行うことが前提となります。

水処理設備の運用や再利用計画において技術的な疑問が生じた場合は、まずは設備を納入・管理している水処理の専門業者へお問い合わせすることをお勧めします。もし、近隣に相談できる専門業者がいない場合や、既存業者とは異なる第三者の客観的な意見が必要な場合は、工場のセカンドオピニオンであるウォーターデジタル合同会社へお問い合わせください。

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