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2026/9/29 23:09

シリーズ「水とビジネス」第6回 水の原価と水破産の足音

いつもこのトピックスを見ていただきありがとうございます。シリーズ「水とビジネス」の第6回をお届けします。

よく日本は「水と安全はタダ」のように言われることがありますが、本当に水はタダなのでしょうか?実際に水道水は取水して、浄水して、配水して、それらを安定的に運転管理することで、やっと私たちの蛇口から出てきます。そこにはコストは必ずかかっているので、ゼロであることなんてありません。

更に大きな目線で言えば、河川の水も、地下水も、そこにあるだけではなく、豊かな山林があってこそ保たれているわけで、人類の欲望のままに消費していては、いずれなくなってしまう貴重な資源です。

今回は、そんな「水の原価」について解説していきます。


タダ同然の井戸水と高騰する水道水。見えない水の原価

水には確実にコストがかかっています。しかし、一口に水の原価と言っても、どこから調達するかによって100倍以上の差が開くという現実をご存知でしょうか。

例えば、日本の一般的な上水道(水道水)の料金は、地区によっても大きく変わりますが1m3(1,000L)あたり約150円〜300円程度です。取水から配水までの巨大なインフラ維持費が乗っているため、当然のコストと言えます。しかし、日本の水道料金の多くは、使用量が増えるほど単価が跳ね上がる「逓増(ていぞう)料金制」を採用しています。そのため、大量の水を消費する工場が大口顧客として水道水を使うと、莫大なコストが経営を圧迫することになります。

また水道水は上記のかかった費用(原価)に比べて、かなり安価に供給されていることもあり、多くの水道事業体では赤字経営になっています。更に人口減少で収入も減っていることから、水道料金を値上げせざるえない地域も増えており、今後もこの傾向は進むと考えられています。

一方で、飲用レベルの高度な浄水処理を省略し、産業向けに用意された工業用水を利用できれば、コストは1m3あたり30円〜80円程度に抑えられます。

そして、経営的な目線で最も魅力を感じるのが井戸水(地下水)です。自前の敷地内に井戸を掘ってしまえば、かかるコストは水を汲み上げる井戸ポンプの電気代やメンテナンス費用のみ。実質的に1m3あたり10円〜20円という、水道水と比較して超低コストで良質な水が手に入ります。(良質かどうかは場所も関係しますし、手放しに選択できないことは次章以降で説明します。)

企業経営の合理性だけで判断すれば、使えるなら絶対に井戸水を使うべき、という結論に行き着くのは必然です。

しかし、地下水は無限に湧いてくる魔法の泉ではありません。目先の安さに釣られて井戸水に過剰依存した結果、都市や産業がどのようなしっぺ返しを食らってきたのか。かつての東京で起きた限界と、その代償から得た教訓を振り返ってみます。

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