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2026/4/1 00:14

微生物ファーストで災害時対応を日常に包括する仕組み

先日、水処理とは全く関係ない富山県のベンチャーをサポートしているイベントが渋谷で行われているので参加しました。そのベンチャー企業の中に興味深い会社の登壇があったので、後ほど名刺交換してみると、移動式の水処理装置を手掛けているINNFRA社の方と判明。

3月5日に報道陣向け発表会があるので、その時に実機も見ることできますよ、とお声がけいただいたので、私は報道陣ではないですが、特別に参加させていただき、実際の装置の中身を見させていただいたり、関係者と話をさせていただいたので、その内容について記事にしました。

ただ、私はトピックスオーナーであっても、本業がメディア側の人間ではないため、広告宣伝的なものではなく、技術者として気になった点、感心した点をお伝えできればと思います。

prtimes.jp

緊急時と日常の境界をなくす、微生物ファーストな設計思想

実際に装置の内部を見せていただき、関係者のお話を聞く中で、技術者としてまず非常に面白いと感じたのは、水処理のプロセスに生物処理を採用し、それを平常時も緊急時も区別なく稼働させ続ける設計にしている点です。

一般的に、災害用の設備というのは倉庫に備蓄しておき、いざという時に引っ張り出して使うものを想像されるかと思います。しかし、今回見学したINNFRA Baseは、道の駅に併設されたコインランドリーとして日常的に稼働しています。なぜそのような形をとっているかというと、答えはシステム内で働く微生物にあります。

この装置では、排水を浄化するために微生物の働きを利用しています。当然ですが、微生物たちにとって人間の社会が平常時であろうと災害時であろうと、全く関係ありません。彼らにとって重要なのは、コンスタントに餌(有機物)が流れ込んでくることだけです。人間が出す排水(餌)を食べて、二酸化炭素を出し、水をきれいにして次の段階へ送り出す。その微生物たちの生き様、ライフサイクルの循環の中に、人間がうまくお邪魔させていただいているのが、この装置の本質です。

機械のポンプや配管も同様で、いざという時のためにと、長期間放置しておくと、固着してしまい肝心な時に動かないことがよくあります。災害用備蓄の機材が、いざという時に壊れていたという話は現場では珍しくありません。

だからこそ、微生物ファーストで常に餌が供給される環境を整え、日常の営みの中に非日常(災害時対応)を組み込んで常にインフラを回し続ける。生物処理の特性から理詰めでフェーズフリーを構築している点に、他の災害対策用装置との設計根拠の違いを感じました。

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