2026/4/28 21:00
初めての商業出版、書籍執筆に込めた想いを語ります。

本トピックスも、2024年6月26日の第1回から始まり、毎週水曜日にアップするというルーティーンを重ね、今回で記念すべき99回目を迎えました。この節目に合わせるかのように、2026年4月27日(月)、私の初めての商業出版となる『図解即戦力 水処理のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)が発売されました。
ふり返れば、水処理という地味ながらも社会の根底を支える技術について、毎週コツコツと発信を続けてきました。今回はいつもと少し趣向を変え、なぜ今、検索すれば何でも出てくるこの時代にあえて「紙の書籍」という形で体系化を試みたのか。執筆の過程で私自身が再確認した「思考の指向」について、綴ってみたいと思います。
※独り語り感が強いかもしれませんが、99回記念ということで多めに見てやって(読んでやって?!)ください。
AI時代に、あえて「読まれる書籍」を志した理由
水処理(に限らないかもしれませんが)の業界の初学者向け専門書というのは、だいたい5年から10年に一度のサイクルで世に出ます。決して爆発的に売れるジャンルではありませんが、現場の人間にとっては10年、15年と使い続けられるバイブルのようなものです。私自身も、先人たちが残してくれた水処理の本をいまだに現場で開くことがありますし、その知見の重みには常に敬意を払ってきました。(多くの本は前職退職時に会社に寄贈しちゃったけど、みんな見てくれているのかな、、、)
しかし、従来の初学者向け専門書の多くは「いかに早く専門家を育てるか」という、開発者や技術屋に特化した技術解説に寄る傾向がありました。もちろんそれも重要ですが、今の時代、個別の技術用語や化学式を忘れても、生成AIに聞けば一瞬で答えは返ってきます。GeminiやChatGPTは、過去の膨大な知見から「正解」を導き出すことにおいては、すでに人間を凌駕するツールとなっています。
そんな「答え」が安価に手に入る時代だからこそ、私はあえて「紙の書籍」という形で知識を体系化することが重要だろう、と思っています。なぜなら、現場の初心者や、水処理をビジネスとして捉えようとする人々が直面するのは「答えがわからない」ことではなく、「何がわからないのかが、わからない」という、暗闇の中での立ち往生だからです。
AIに正しい「問い」を立てるためには、まず自分の立っている場所と目的地が描かれた「地図」が必要です。全体像が見えて初めて、自分がどこでつまずいているのか、何を問うべきなのかに気づくことができます。今回の書籍では、細かいHOW(手法)は先人たちの名著に譲り、「なぜ(WHY)その処理をしなければならないのか」という文脈を網羅することに注力しました。それは、情報の断片を検索するだけでは決して得られない、一貫した「視座」を読者に提示したかったからです。
(ちなみに電子書籍でもわかりやすい構成になっています。ここは流石、技術書を知り尽くしている技術評論社さん!だと感じました。)
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