排水処理施設の運転管理担当交代時の注意点

3月末が近づき、人事異動の時期となりました。工場にとって、排水処理施設の運転管理担当者の交代は、施設の安定稼働を維持する上で重要な局面です。

専門知識と経験が求められるこの業務において、担当者の交代は、ともすれば設備の不調や法令違反につながるリスクも孕んでいます。

そこで本稿では、排水処理施設の運転管理担当交代時に注意すべきポイントを、スムーズな引継ぎを行うための勘所としてまとめました。

排水処理施設の運転管理において、法規制の遵守は絶対条件です。

  • 排水基準の遵守状況
  • 届出書類の提出状況
  • 水質測定の実施状況
  • 記録簿の記載状況

などを網羅的に確認し、もし問題があれば速やかに対処する必要があります。

排水処理施設の現在の稼働状況の把握も重要です。

  • 処理フローの理解
  • 各設備の運転状況
  • 薬品使用状況
  • 汚泥処理状況
  • 異常時の対応手順

などを前任者から丁寧に引き継ぎ、施設全体の運転状況を確実に把握することが重要です。

今までの維持管理状況や過去の履歴確認も重要です。

  • 定期点検の実施状況
  • 修理・修繕履歴
  • 予備品の在庫状況
  • 設備の老朽化状況

などを確認し、適切な維持管理が行われているかをチェックしましょう。

      排水処理施設は決して自社だけでは完結しておりません。周りとの協調が重要です。

      • 行政機関との連絡体制
      • 近隣住民への対応状況
      • 協力会社との連携状況

      などを把握し、良好な関係を維持できるよう努めましょう。

      排水処理施設では、予期せぬトラブルが発生することもあります。過去のトラブル事例や対応策を前任者から聞き取り、緊急時の対応に備えましょう。

      運転管理マニュアルは、施設の運転管理に関する情報を集約した重要な資料です。前任者からマニュアルを引き継ぎ、内容を最新の状態に更新しましょう。

      スムーズな引継ぎのため、前任者と後任者間で密な情報共有を行いましょう。不明点や疑問点は、積極的に質問し、解消しておくことが重要です。

      排水処理施設の運転管理には、専門的な知識と経験が必要です。不明点や不安な点がある場合は、専門業者に相談することをおすすめします。

      排水処理施設の運転管理担当の交代は、施設の安定稼働に影響を与える可能性があります。スムーズな引継ぎと適切な運転管理を行うために、上記のポイントを参考に、万全の準備を整えましょう。

      もし、専門業者が周りにいない場合や、第三者の意見を聞きたい場合は、工場のセカンドオピニオンであるウォーターデジタル社にご相談ください。

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